東北大生のひとりごと

大学受験・大学生活における悩みを解決するブログ

【実話】成人式を最もくだらない理由で出席できなかった大学生の末路

 

大学1年生の大きなイベントのひとつに成人式がある。

成人式は大学2年生のイベントだろ!?

この手の主張には応じるつもりは一切ない。

当時の俺は成人式に出席することを正直迷っていた。成人式って市長さんたちの長い話の時間があって退屈そうなイメージだし、人混みのおおい体育館に閉じ込められて、毎年メディアに映るゴリラやチンパンジーのような「荒れる成人」に怯えるのも気が引ける。成人式の会場は地元の大阪。とにかく遠すぎる。飛行機代は土日を挟み、普段よりも高かった。往復だと、空港までの交通費含めて2万9000円もかかる。さらに、帰省には往復10時間もかかる。土日とは言っても、ふつうに大学の授業は始まっている。楽しいのか楽しくないのか分からないようなイベントに往復10時間、2万9000円もかけてたった2日間だけ帰省するのは、少々馬鹿馬鹿しいような気がする。

しかし、成人式は卒業式や結婚式と並ぶ人生においての重大イベントのひとつと言っても過言ではない。母親に相談すると、「帰ってきなさいよ」と即答。友達でもみんな地元から遠く離れていても、高いお金を払って成人式の為に帰省している。成人式に出席することは当たり前といった認識だ。悩んだ末に面倒だといった気持ちを振り切って、自分も成人式に出席することに決めた。

成人式当日、朝「いってくるね、ちゃんと行くんだよ」と母の声が聞こえたような気がする。大阪は暖かいとはいえども、真冬の朝。布団の外は極寒である。実家の布団は仙台の安物の布団とは違って、ほんとに桁違いにネゴこちがよい。まるでネコにでもなったような気分だ。

 

なんでいるの!?

時刻は9時をまわっていた。帰ってきた母親に、ものすごいい権幕で起こされた。もう発狂寸前で20年間こんな起こされ方は初めてだった。式はとっくに始まっている。

やっちまったな

とりあえず、落ち着いてツイートをした。

 

総いいね数84。自分が大きな失敗をすればするほどTwitterではいいねをもらえ、失敗を「面白いネタ」として自分の気持ちの中で正当化しやすくなる。まぁ、いくらTwitterでいいねをもらっても絶起した事実は消えることは当然ない。

失意の元、布団の中でインスタを開くと沢山の地元の友達の晴れ着姿の写真がストーリーにあがっていた。中学時代部活の集合写真は俺以外みんないた。みんな出席していたのだ。まるで「成人式にしっかりと出席できている大人」の自信を誇らしげに身にまとっているようにみえた。「成人式にすら出席できないのかよ」と写真の笑顔にそう訴えかけられ、「お前は荒れるチンパンジー成人以下だ」と蔑まれるような声が聞こえてきたような気さえした。1998年世代の波に取り残されたような虚しい気持ちになった。あれだけ行くことを躊躇っていた成人式だったが、出席しなかった後悔が湧き上がってきた。もう自分に「成人式」は二度とやってこないのだ。まさか成人式も寝過ごしてしまうとは。もはや笑いに変える以外救いようがない。

しかしながら、「ふつう」の人間は成人式で寝坊して欠席するようなことはありえない。それがよくないことだとはいえ、誰も簡単に真似できることでもないことだ。驚くべきことに、絶起することが自分の個性として受け入れるようになってきた。「成人式に寝坊したこと」がなんだか誇らしげに感じてきてしまった。

出席すべき儀式に出席することが果たして本当に正しいことなのだろうか?

 

最後まで御覧いただきありがとうございました。

 

 

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